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「気がつけば生保レディで地獄みた。」2023年4月28日発売決定!

2022年2月22日より募集を開始した、「古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞」の第1回目の受賞作の出版が決定いたしました。

タイトルは、「気がつけば生保レディで地獄みた。」、発売日は2023年4月28日(金)となります。

応募総数166の作品の中から選ばれた記念すべき第1作目、本記事では、受賞作の概要や賞創設の経緯などを綴らせて頂きます。

書誌情報

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「気がつけば生保レディで地獄みた。若しくは性的マイノリティの極私的物語」
出版社:古書みつけ
著者:忍足みかん
価格:1500円+税
ISBN:978-4-9912997-1-1

生保レディ、受賞の理由

第1回目の公募で集まった166の「気がつけば○○」は、どれもこれも間違いなく、応募者たちでしか体験できないドラマが綴られていました。なかでも、第1回目の受賞者となった忍足みかんさんの作品は、様々な視点から今こそ世におくりだすべき作品だと感じ、出版することを決定いたしました。

主な理由としては……

①稀少性→生命保険業界を、しかも、女性保険外交員の目線から描いた物語はみたことがない(※読書量が決して多いわけではないのでもしかしたら存在はするかもしれませんが)

②社会的意義→現在の生保レディたちの実態が生々しく描かれていて、同じような立場で働く女性たちへのメッセージや、どこかのだれかが立ち上がるきっかけとなりうる可能性がある(※と、いうのは建前で、本音でいえば、とにかく面白ければ社会的意義などはなくてもよいとは思っている)

③性の多様性→著者自身がLGBT当事者であるため、LGBTにかんする悩みや憤りなども綴られていて、生保レディたちだけでなく、そのほかの性的に立場の弱い人間たちの声なき声が詰まっている。

④エンターテインメント性→苦しく辛い日々を綴りながらも、コミカルな視点が面白く、まさに1本の映画を観ているかのようなエンタメ感にもあふれている。様々なメディア展開、それこそ漫画、映画、舞台化が可能なクオリティ。

⑤読みやすさ→本書の対象読者は一応は全世代ではあるけれど、読書離れが進むなか、できるだけ多くの人に読んでいただきたいという想いもあるので、わかりやすさ、読みやすさも選定の基準のひとつ。本作品はそういう意味でも、10代にも読んでもらえるわかりやすい文章となっている。

などが挙げられます。

生保業界の生々しい一面を味わえる本文抜粋

次に、本書のカバーの袖や帯には本文からの抜粋分を載せているのですが、それらを読むと、この本がいかに面白そうかを体感していただけると思うので、それらをご紹介させていただきます。

「自殺……って、死亡保険金出たっけ?」
よくドラマのワンシーンで、不況のあおりをうけた
中小企業の社長が、
「俺の死亡保険金で会社を救ってくれ」なんて
遺書を残して首を吊ったりするけれど……
現実、自殺じゃ、保険金が出なかったりする。

しかし、独身の一人暮らしの男性の家に行くときは、やはり少し身構える。すべてがすべてヤバい人ではないけれど、以前、50代独身のゴミ屋敷に住む一人暮らしの男性に、
「ねぇ、枕営業ってあるの」と聞かれたときには、鳥肌が立ったし、怖かった。

だってロープレに出てくる人生は、結婚して、子どもを産むが大前提で話が進むんだもん。独身の人相手っていうシチュエーションでやるときも、将来結婚して子どもが……が当然のようについてくるもんだから。モヤッとする。
それはロープレだけじゃない。
ロープレと同じくらい繰り返しやるのが、「生涯設計」だ。これはハピノートに生年月日、性別を入力するだけで、あら不思議、平均的な自分の将来設計とその人生にかかるお金が表示される。自分の年齢と性別「23歳、女性」を入力して画面上の「結果をみる」を指の腹でぐっと押してみれば……。
 28歳- 結婚
30歳- 第一子出産
33歳- 第二子出産
37歳- 住宅ローンを組みマイホーム購入
子どもが成長し、下の子どもも無事大学を卒業すると、だいたい50半ばで親の介護が始まり、親を見送ると旦那と余暇を過ごし、ゆくゆくは老人ホームに入る。そんないわゆる〝フツウ〟の、自分の意思に反して表示される人生にゾッとする。

「今月、給与9000円だわ」
給料日前、オフィス長から手渡される給与明細を受け取ったルミさんが、溜息交じりにそう言って私は思わず「え?」と聞き返した。
「先月契約1件もとれなかったから……ほら」
見せられた給与明細には、確かに9000円の文字。0が一つ少なくない? いやでも、たとえ0がもう一つあったとしても、正社員の1か月の給与にしては少ない。

「看護婦」が「看護師」に、「スチュワーデス」が「キャビンアテンダント」に、性別による呼称の呪縛が解かれつつあるのに、いまだに「生保レディ」と呼ばれる私たち。(中略)「生保レディ」なんて呼ばれ方をしている限り、私たちはいつまでたっても性別のフィルターを外した一人の人間として見てもらえないかもしれない。

いかがでしょうか?

これら、切り取った一文を読むだけで、彼女の人生を覗いてみたいと思いませんか?

少なくとも私は、隅から隅まで読み尽くしてみたい感情に駆られ、ページをめくる指が止まりませんでした。

魅力的な登場人物

主人公である、三上杏(忍足みかん)だけでなく、彼女をとりまく登場人物たちも魅力あふれる面々が揃っています。これも、映像化しやすいという点のひとつにもなりますね。

三上杏……筆者の本名。三上杏を省略して〝みかん〟というあだ名で呼ばれている。就活に苦しみぬいた結果、たどり着いた生命保険の世界に憧れを抱き、社会人デビューを果たす。パンセクシャル。

上条聖子……ハピネス生命で働くみかんが配属されたチームのマスター(新人育成係)。みかんに就職説明会で声をかけた。美人で仕事もデキる。小さいお子さんがいる。

ごましおちゃん……みかんの同期入社。マイごましおを持参していて、食事の際は何にでもごましおをふって食べていたことから、ごましおのあだ名がつく。

有村こはる……アイドルのようなルックスの美女。2年目の新人で、みかんをなにかと気にかけてくれる。物語のキーを握る人物のひとり。

轟純子……みかんが配属されたチームのオフィス長。声が大きく、肝っ玉母ちゃんといった雰囲気。自腹を切って職員にお菓子や果物を配って営業成績アップを促すのでちょっとウザがられている。

宮本ルミ……オフィスのムードメーカーで、下ネタ大好き。似顔絵屋さんが描くデフォルメされた口のように大きくニカッと笑う。

緒方さん……仕事のデキる美熟女。クールビューティーなシングルマザー。

菅野さん……中途採用で入社。みかんにとっては年上の後輩になる。

東雲一族……母、娘、息子、息子の嫁と一家総出で生保業界で働くスーパー保険家族。母である千恵子は勤続30年の大ベテラン。娘と嫁でそんな偉大な母(義母)のどちらが跡を継ぐのかとギスギス気味。

部長や支社のえらい人……営業成績が悪いと怒鳴り散らしてパワハラ三昧。ほとんどが男性。男性はすんなりと本社や支社の偉い人になれるが、わざかにいる女性幹部は皆、叩き上げである

弥生さん……ミックスカフェバー「QKJ」の店主。性はノーマルだが、オープンしたお店に多種多様なセクシャリティが集まってきたことから、ミックスバースタイルで営業。もちろん、実在したお店である。

小泉みやび(マサ)……みかんの小学校の同級生で、悪友。物心ついたころから体は女性、心は男性だった。現在、戸籍はまだ女性だが、男性ホルモンの投与をはじめ、少しずつ男性の体にもどしている。本名はみやびだが、今はマサと名乗っている。「QKJ」で働いている。

一条さん……○○テレビ報道局のプロデューサー。反町隆史ふうのイケオジ。

ハピ郎……ハピネス生命の愛すべきマスコット。彼を目当てに保険に加入する人もいる。

いやはや、だいぶ濃ゆいキャラクターが集っています。

とはいえ、この業界だからこんなにも面白そうな人が集まっている、というわけではなく、きっと誰しも、周囲の人間模様をじっくり観察していれば、皆、それぞれが面白い人物なのではないかなとも思います。そういう意味で、忍足さんの観察眼の斬れ味は見事なものだといえるでしょう。

最前線で活躍する漫画家、脚本家、著述家が選出

「気がつけば○○」ノンフィクション賞は、最終選考に残った4作品を、各ジャンルのスペシャリストな御三方に審査していただきました。

「全裸監督」の原作者として知られる本橋信宏氏には、ノンフィクション作家の視点で評していただき、さらに、漫画化や映像化を目指したいという想いも込めて、「ザ・ワールドイズ・マイン」「宮本から君へ」など、傑作を量産している漫画家の新井英樹氏、「クライマーズ・ハイ」「孤高のメス」で日本アカデミー優秀脚本賞を受賞している脚本家の加藤正人氏にも審査していただきました。

そんな御三方から推薦文を頂戴しましたので、カバー帯に掲載、ここでもご紹介させていただきます。

新井英樹(漫画家)

神奈川県横浜市出身、1963年9月15日生まれ。漫画家を目指すため文具会社を退職して作品投稿を始める。『8月の光』が四季大賞を受賞しデビュー。デビュー当初はソフトタッチな画風だったが、現在は反社会的な表現を多用する特徴的な作風になった。『宮本から君へ』で小学館漫画賞青年一般部門賞を受賞。『ザ・ワールド・イズ・マイン』は深作欣二が映画化を試みた傑作。2018年より、『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』と、自作の映像化が続いている。『ひとのこ 上下』発売中。

加藤正人(脚本家)

秋田県能代市、1954年1月14日生まれ。脚本家。映画からテレビドラマまで、幅広いジャンルで多数の脚本を書き続ける脚本界の巨匠。2009年『クライマーズ・ハイ』で第32回日本アカデミー賞優秀脚本賞受賞。2011年『孤高のメス』第34回日本アカデミー賞優秀脚本賞受賞。2015年にはNetflixドラマ『火花』の脚本総括をつとめ、2019年の映画『凪待ち』は自身による原作。2022年は、島崎藤村原作の『破戒』を共同脚本。

本橋信宏(著作家)

埼玉県所沢市、1956年4月4日生まれ。著作家、評論家。政治思想からサブカルチャーまで幅広い分野で執筆活動を行なう。反体制運動、アダルトビデオ、裏本に関する著作や評論で知られる。代表作の『全裸監督 村西とおる伝』は、Netflixでもブームとなった。『出禁の男 テリー伊藤伝』も好評発売中。

装画および挿画は「おじさん図鑑」のなかむらるみ

本文イラストをチラッとお見せしましたが、装画&挿画を担当するのは、イラストレーターのなかむらるみさんです。

シリーズ創刊のきっかけとなった「気がつけば警備員になっていた。」のように(※のちほどご紹介します)、表紙はイラストを使って表現したいと考えていたのですが、どんなイラストにするかでだいぶ印象が変わってくるため、悩みに悩んでおりました。

そんなお悩み絶頂期に、今はなき上野の本屋で出会ったのが、「おじさん酒場」(山田真由美文/なかむらるみ絵/ちくま文庫)で、「あ、この人、『おじさん図鑑』の人だ!」と何かが閃いて、「この方に絶対お願いしたい!」と思い立ったが吉日、すぐさまアポを取ったところ、まさかの快諾を頂けたという流れで、晴れてなかむらるみさんにお願いすることになったのです。

著者の山田真由美さんと共にイラストのなかむらるみさんも同行する酒場行脚。るみさんの愛すべきキャラクターが最高で、これを読んでいると、彼女と一緒に酒場巡りをしたくなります。

ということで、なかむらるみさんに古書みつけにお越しいただき、あーでもないこーでもないと話しあって完成した装画がこちらになります。

かわいい!

衣装からアクセサリーなどは、著者の忍足さんにもアイデアをふんだんに出して頂きました。

「気がつけば○○」はシリーズ化を予定していますが、次の作品もなかむらるみさんにお願いすることは決まっており、シリーズ感のわかる表紙づくりを心掛けていくつもりです。

みかんが公園のベンチで自暴自棄になっているシーン。このイラスト、最高です!

保険がうまれた国・イギリスでは……

そして、最後にもうひとつエピソードを。実は、これは完全に個人的なお話なのですが、わたし自身、かつて映画学生時代に、保険を題材とした脚本を書いたことがありました。

そのときのタイトルが、「ラストラブレター」

そう、実は、保険がうまれた国・イギリスでは、生命保険のことを「ラストラブレター」と呼ぶこともあるそうなのです。

亡くなられた方が、自分が愛していた家族に贈る、最後のラブレターという意味あいですね。

そんなロマンティックな言葉に酔ってしまった私は、もはやどんな話だったかも思い出せないのですが、確かに結構な長編の「ラストラブレター」という脚本を書いた記憶がございまして、そんなご縁も感じて、忍足さんの作品には感情移入せざるを得ませんでした。(※今度、実家に帰ったら捜索してみよっと、ラストラブレターの脚本)

もとい、いずれにせよ、本書は、いってみれば、忍足みかんから保険業界への〝ラストラブレター〟という名の挑戦状?

ブラック企業な実態を語ってほしいと、某民放キー局から取材を受け、放送されることを期待していたら、上層部からの差し止めにあい、映像はお蔵入り……。告発の手段のひとつを握りつぶされてしまったという事実も含めて、本書が何かを動かすきっかけとなれば、望外の喜びで満ち溢れます。

「気がつけば○○賞」とは?

さて、ここまではシリーズ創刊の第1作目となる「気がつけば生保レディで地獄みた。」の内容をお話してきましたが、ここからは、気がつけば○○賞のルーツをご紹介させて頂きます。

そもそものはじまりは、約20年にわたって編集者として活動してきた伊勢が、前述した「気がつけば警備員になっていた。」(堀田孝之/笠倉出版社)という書籍の編集を担当したことがきっかけとなります。

ある日、私の母校、日本映画学校時代の友人である堀田から、彼が綴ったという原稿を渡されました。そこには、ふだんは陽のあたらない職業である警備員の実情が、悲しみや憎しみを含みつつコミカルに描き出されていて、その筆力、表現力に魅了され、私はどうしてもこれを書籍化させたいと思い、様々な出版社に営業をかけることで出版化が決まった一冊でした。

個人的にはとても満足のいく本がつくれたと感じていて、可能であれば、これをシリーズ化できないかと考えました。

が、現実は甘くなく……。出版社が書籍に強い版元ではなかったり、営業やプロモーション不足など、イチ編集プロダクションができることは限られていて、広くこの本を伝えることができなかったこともあり、売り上げは芳しくなく、シリーズ化の夢は潰えてしまいました。

けれども、私の中では、エンタメとしてだけでなく、社会的にも意義ある一冊だったと思っていて、これからもそういった光のあたらない職業や人、生き方というものに耳を傾け、彼、彼女らの物語をたくさんの人に伝えたいという想いが強くなっていきました。

そこで、持ち上がる「気がつけば警備員になっていた。」の映像化のお話。

これはいまだに現実とはなっていませんが、水面下ではまだまだ生きているお話で、日本映画学校出身という強みをいかして必ずや実現させるつもりなのですが、そういった動きをしているなか、はたと、私たち映画学生の大先輩・新藤兼人先生の言葉を思い出したのです。

「誰でも脚本家になれる。それは自分のことを書けばいい。誰よりリアリティーがある作品、傑作が書ける」

つまり、有名人でなくとも、世界中にいるどこかの誰か物語は、十分に1本の映画にもなりえる……。

そこに気がついたとき、気がつけば、「気がつけば○○賞」というお題が閃いていたのです。

たくさんの「気がつけば○○」を集めるにはどうしたらいいか? 答えは公募でした。そして、自らを出版社化するという道を選ぶことで、自分のやりたいことを実現させようと考えました。

2021年、事務所の1階に古本屋「古書みつけ 浅草橋」をオープンさせたことも、実は、このプロジェクトへの布石であり、このたびの出版をもって、「古書みつけ」という出版社が産声をあげたのです。

そう、私たちもまた、「気がつけば出版社になっていた。」であり、私たちの物語はこれから綴られていくことになります。

そんな古書みつけの出版社としての想いは、以下の「古書みつけ宣言」に綴っていますので、ご一読いただけると幸いです。

【古書みつけ宣言】声なき声に耳を澄ませば……絶望に効く生き方

目指せ、ベストセラー「日記シリーズ」

実は、「気がつけば○○」賞の創設のきっかけとなったものがもうひとつあります。

それが、三五館シンシャという出版社で発売されている、中・高齢者の職業体験をつづった「日記シリーズ」です。

大ベストセラーとなったシリーズ第1作目の「交通誘導員ヨレヨレ日記 当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます」(柏耕一)を皮切りに、以降の作品も出版するたびに軒並み好調な売り上げを誇るなど、書籍が売れない現代において目覚ましい勇姿を見せてくれています。

この作品は、‶老後2000万円問題〟のタイミングで発売されたこともあり、話題となって瞬く間にたくさんの読者のもとに届けられました。そして、その後、60代、70代の就業実体験を綴っていくことシリーズとなっていくのです。しかも、書くのはあくまでも本人で、三五館シンシャの代表である中野長武氏は、「いくら内容が面白くても、書けないという人の本は作りません」と、インタビューで答えています。このこだわりが数々のヒット作を生み出す要因となっていることは間違いありません。

そう、以前から追いかけていたこの「日記シリーズ」を参考に、どうにか私が思い描く、新たなるノンフィクションシリーズをつくりだせないものか……。それを、ひたすらに熟考したことで生まれたのが、「気がつけば○○」でした。

とはいえ、ただただこの「日記シリーズ」を模倣するのでは、出版社を立ち上げる意味がありません。(※ちなみに、完全に模倣したことで問題となっている書籍があったりします)

そこで、「日記シリーズ」が60代、70代の就業実体験ならば、「気がつけば○○」は世代や職業にはこだわらず、あくまでも「弱者の叫び」を発信すること、これをテーマにシリーズ化にしていこうと考えました。

そして、イラストは、親しみあふれつつちょっぴり可笑しいテイストを醸し出せるなかむらるみさんにお願いし、表紙も「日記シリーズ」とは異なるテイストで勝負をかけることにいたしました。「喜劇と悲劇は紙一重」とはよくいったものですが、マイノリティだからといって総悲観するのではなく、そんな自分の物語を悲しみや憎しみを内包しつつもコミカルに綴ってほしい、という願いも込めていたりします。

ちなみに、表紙をつくる際、私がデザイナーさんに注文したことは……。

「ヴィレッジヴァンガードに置いてありそうな表紙にしたい!」でした。

思えば、最終審査員をお願いした新井英樹先生の名作「ザ・ワールド・イズ・マイン」に出会ったのもヴィレバンで、そんな衝撃的な出会いも思い出し、ヴィレバン感を出してもらいました。個人的には、手作りのタイトルフォントがお気に入りです。

ということで、憧れの「日記シリーズ」がきっかけのひとつともなった「気がつけば○○」。

私たちとしては、「類書であっても類似書ではない」と考えておりますので、もし、この記事を見かけた書店員さんがいましたら、ぜひ、「日記シリーズ」と同じ棚に置いてもらえないでしょうか? 必ずや相乗効果が生まれ、どちらも手に取ってみる、というお客さんが増えそうな予感が、勝手にプンプンしております(笑)。

余談ですが、古書みつけ 浅草橋の店主である堀田孝之にとって、三五館シンシャの中野氏は出版社時代の先輩であり、この「日記シリーズ」の漫画版の脚本を堀田が担当していたりもします。舞台裏には、そんなご縁もあったりと、とにかくエピソードには事欠かないのが、「気がつけば○○」シリーズとなっております。

ついでに、もうひとつ舞台裏エピソードをお伝えしておくと、「気がつけば○○」の装丁を担当するのは、三五館シンシャにて堀田脚本の漫画を描いた河村誠さんだったりします。

「マンガでわかるマンション管理員」、面白いです!

そのほか、気がつけば○○賞の関連記事まとめ

ということで、相当長きにわたって語ってきた「気がつけば生保レディで地獄みた。」誕生秘話から「気がつけば○○」誕生秘話、ここまでお読みいただきありがとうございました。

最後に、これまでの経緯などがわかる記事をまとめさせていただきましたので、さらなる興味をもっていただけた暁には、これらの記事にも目を通していただけるとうれしいです。公募開始の告知から、一次選考、最終選考を経ての受賞作決定、そして、最終審査員の皆さんからの講評という順番に記事をまとめさせていただきました。

古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞/出版局からのメッセージ

古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞/原稿募集(締切:2022年8月31日)

古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞/原稿募集(締切:2022年8月31日)

気がつけば166もの応募原稿が届いていた。【古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞】

決定!最終選考へと進むのは4作品【古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞】

最終選考へと進む4作品を発表します【古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞】

書籍化決定!166作品の中から選ばれた第1回目の受賞作品を発表します。

東京新聞に掲載!「気がつけば生保レディになっていた。」忍足みかんさんが新設文学賞受賞

【講評まとめ】加藤正人&新井英樹&本橋信宏「第1回古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞」最終選考

最後の最後に……

町の小さな出版社が贈る、小さな小さな声をすくいあげる物語。

「気がつけば生保レディで地獄みた。」は、2023年4月28日(金)から発売となりますが、なんと、3月22日(水)より、毎週水曜日、著者の忍足みかんさんに、「古書みつけ 浅草橋」の日替わり店主をつとめて頂くことが決定しました。

そのほかにも、本書のデザインをつとめる河村誠さんや、当店近隣で素敵なブックグッズを制作しているAkaneさんなど、本にちなんだメンバーが、「気がつけば○○」シリーズ販売促進期間ということで、日替わり店主として店頭に立ってくれます。詳しいスケジュールは、以下のカレンダーをご参考ください。5月以降は随時、更新していきます。

いろいろと情報が盛りだくさんすぎてわけがわからないかもしれませんが、兎にも角にも、当店にお越しいただければ、著者にも会えますし、店頭で直接購入も可能です。もちろん、著者への取材や、サインのお願いなど、もろもろ含めてなにかとウェルカムです!

この本がたくさんの人たちに届けられるように、ご協力、応援、拡散、なにとぞなにとぞよろしくお願いいたします!!

古書みつけ代表 伊勢新九朗

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