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「気がつけば」という言葉について考えてみる。【ノンフィクション賞募集中】

「気がつけば生保レディで地獄みた。」が出版されてから約3か月。

現在、シリーズ第2弾となる次作の編集作業に没頭中ですが、ここで、2023年12月31日が締め切りの第2回「気がつけば○○ノンフィクション賞」への応募を促すための記事を1本書いてみることにいたしました。

第1回目のときもそうでしたが、ギリギリにならないと原稿は送られてはこないとわかってはいるものの、たくさんの人に応募していただきたい気持ちは変わらぬということもあり、第一弾が出版されて数か月経った現在の、思いのたけを綴らせていただこうと思ったのです。

第2回公募の詳細はコチラから↓

第2回「気がつけば○○ノンフィクション賞」/原稿募集(締切:2023年12月31日)

結構、使いがちな「気がつけば」

じつは、古今東西、様々な文学作品で「気がつけば」という言葉は多用されています。

まぁ、「気がつけば朝だった」とか「気がつけば酩酊していた」とか、〝いつのまにやら○○だった〟という状況は、日々生活していればいくらでも直面することなので、とくにこの言葉自体にスペシャルな意味合いがあるわけではなく、それはそれはイロトリドリの使われ方があるはずです。

むしろ、それだけポピュラーな言葉だからこそ、馴染み深くもあり、使い勝手が良さげな気がして、「気がつけば〝気がつけば○○ノンフィクション賞〟というお題に落ち着いた。」というわけで(笑)。

事実、古書みつけがシリーズ化していく「気がつけば」シリーズ以外でも、すでに「気がつけば」を冠とした書籍は何冊かあります。今でも、読書中に「気がつけば」を使った文章が出てくると思わずチェックしてしまうほどに「気がつけば」中毒になりつつある今日このごろ(笑)、今後、どんな「気がつけば」と出会いたいのかを考えてみました。

出版していきたい作品の方向性

前回の記事でも書いたのですが、「気がつけば生保レディで地獄みた。」のご感想を頂戴しながら、改めて、「古書みつけ」で出版していきたいと思える作品はどんなのものなのか、が見えてきましたので、重複しますが、この記事にも投下します(前回の記事から変動あり)。

①ノンフィクションシリーズなので実話に限る(もちろん登場人物などは実名でなくともOK)

②どんなに拙くてもよいので著者が自分の言葉で綴る(読みたいのは着飾った文章ではなく等身大のあなたの言葉)

③題材はお仕事だけとは限らない(シリーズ第3弾がまさにこれに該当)

④吐き出さずにはいられない切実な思い(小さすぎて届かない声を届けたい)

⑤ただの暴露や批判だけの作品にはしたくない(そこに発信する意味、ポジティブな思いを乗せてほしい)

これが、現在、「古書みつけ」として出版していきたいと考える作品の条件となります。

もともと沢木耕太郎氏のノンフィクションが大好物な私なので、いまだに小説よりもノンフィクションを読みがちです。

たとえばですが、沢木氏の「人の砂漠」(沢木耕太郎/新潮文庫)に収録される「屑の世界」は、沢木氏が屑屋と呼ばれる世界に自ら潜入し、自身が触れたこと、感じことをルポルタージュしています。沢木氏の場合は、それを生業にするというよりも、ルポを書くために潜り込んだため、「気がつけば」の枠に入れることは難しいかもしれませんが、もしこれが仮に、流れ流れてたどり着いた屑屋の世界だったとすれば、「気がつけば屑屋の世界で七転八倒。」みたいなタイトルをつけることができるのではないかと思います。

また、当店「古書みつけ 浅草橋」がある「柳橋」という土地は、かつて花柳界として一世風靡したエリアでもあり、その花街を題材とした「流れる」(幸田文/新潮文庫)という小説があります(※人の砂漠同様に新潮文庫!)。

これは、著者である幸田文が実際に柳橋の花街の置屋に女中として潜り込み、そこで体験したことをもとの綴った小説で、フィクションな部分もあるにせよ、これも「気がつけば芸者置屋の女中となっていた。」というようなタイトルをつけることができそうです。

「流れる」は、ある意味、「私小説」的な側面もあり、著者の体験に基づいて綴られたフィクションが多い「芥川賞」受賞作品なども、「気がつけば○○」に当てはめることができそうだなー、と、考えながら、いまだに芥川賞受賞作を読むのが好きだったりします(※ちなみに、今後、古書みつけ店内には、「芥川賞受賞作」コーナーを開設予定)。

今年(2023年)の芥川賞受賞作「ハンチバック」(市川沙央/文藝春秋)も、まさに私小説といえる作品で、むしろイチ読者としてはノンフィクションなテイとしてとらえています(※「紙での出版にこだわる」伊勢が、「紙の読書を憎む」という彼女の本を例に挙げるのはおかしなことかもしれませんが、そこはまた別物の思考だと考えています)。

このように、挙げだしたらキリがないのですが、世の中には「気がつけば○○」な題材がたくさん転がっていると思います。

私自身、現在は、「気がつけば四姉妹の父になっていた。」状態ですし、「気がつけば長女のいじめ問題で学校と戦っていた。」状態であったりもします(※学校側が第三者調査機関を設置するまでにきております)

「生きる」ということは、とてつもないエネルギーを消費することですし、世の中はますます〝生きづらく〟なっていくことは間違いありません。

そんななか、マイノリティな世界を生きる〝声なき声〟を拾い、本という形にして届けることで、少しでも同じような境遇にいる人たち、同じような気持ちでいる人たちに、エールをおくることができたらという思いで、「気がつけば○〇」をシリーズ化することに決めました。

より具体的な声明文のようなものは以下に綴っていますので、よかったら参考にしてみてください。

【古書みつけ宣言】声なき声に耳を澄ませば……絶望に効く生き方

そして、現在、すでに第1回目の公募作品のなかから、書籍化したいと考えている作品については、作家さんと編集者としてのお付き合いをさせていただき、「気がつけば○○」の第2弾もしくは第3弾として発表できるように動いていたりします(※Amazonですでに2と3についての情報が掲載されていますがまだ確定ではありません)。

今回の第2回目の公募の受賞作については、締め切りが2023年12月31日となりますので、そこから順当に審査を重ねていけば、おそらく世に出るのは、2024年の初夏ごろを想定しています(つまり第2回の公募での受賞作はシリーズ第4弾となります)。

そんな第2回公募作たちは、お盆真っ最中な現在、じつはまだ1本もきておりません。

ですので、この記事をご覧の皆様、まだまだチャンスは間違いなるありますので、たくさんの「気がつけば○○」のご応募をお待ちしております。

最近読んでみたいと思っている「気がつけば○○」

ということで、記事が重複して失礼しておりますが、最近は、ふとしたときに、「あ、これをテーマにした気がつけば○○を読みたいな」というものが突然降りてきたりするようになりました。

それもこれも、まだ1作品目だけの出版とはいえ、ひたすらに「気がつけば」「気がつけば」を連呼しているからにちがいありません(笑)。

応募要項にも例を記載していますが、ここでは、「こんな作品がきたら絶対書籍化したい!」と思えるような主題をピックアップしてみたいと思います。

・いじめと向き合う教師
・現在進行形でいじめにあっている被害者
・闇だらけであろうテレビ業界の裏側
・Netflixの「新聞記者」ではないが、新聞というメディアの舞台裏
・かなり個人的な視点だけれどボクサーの人生
・自殺も横行する「奨学金」問題に直面する苦学生
・今後も増加が予想されるヤングケアラー
・映画や舞台業界で横行する性被害の実情
・自給自足生活者
・地下アイドル

いずれも業界の裏側を知りたいという知識欲からくるものですが、とはいえ、前述した条件にあるように、ただの暴露や批判だけにならず、多角的な視点で歩んできた人生や職業に対する深い考察がみられたらと思います。

そう、たとえば、この作品を世におくりだすことで、様々な議論が起こり、社会的にも意義あるものへと昇華できたら、それは本シリーズを続ける意義にもつながっていくのではないかと考えています。

そこに至るまでにするのが編集者である私の役割ですが、兎にも角にも、まずは作品がなければはじまりません。

「気がつけば○○」第4弾となり得る作品を、首を長く長くしてお待ちしております!

「気がつけば生保レディで地獄みた。」

第1回「気がつけば〇〇ノンフィクション賞」受賞作品「気がつけば生保レディで地獄みた。」のランディングページには、本の内容だけでなく、出版に至るまでの様子をプレイバックできるように、関連記事を一覧化させておりますので、こちらからさらなる詳細をご確認ください。

「気がつけば生保レディで地獄みた。」2023年4月28日発売決定!

生保レディ、予告ムービーもあります!

 

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