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小説紹介クリエイターけんごさんのTikTokで紹介していただけました。「気がつけば40年間無職だった。」

2024年3月4日に発売された「気がつけば40年間無職だった。」が、小説紹介クリエイターのけんごさんのTikTokにて取り上げていただけました。何度も「面白い!」と言ってくださっていて、著者ともども大喜びです。このたびは、ご紹介いただきありがとうございました! ぜひ、動画をご視聴ください。

@kengo_book

#PR 40年間、一度も働いたことのない女性の経験談です。本当に面白かった! 『気がつけば40年間無職だった。もしくは潔癖ひきこもり女子の極私的物語』の紹介です📚 #小説 #小説紹介 #本の紹介 #おすすめの本

♬ オリジナル楽曲 – けんご📚小説紹介 – けんご📚小説紹介

そして、「気がつけば○○」ノンフィクションシリーズは、40年間無職だけではありません。

第一弾の生保レディ、第二弾の認知症介護士、いずれも好評発売中ですので、以下、ご紹介させていただきます。

ちなみに、東京都台東区の浅草橋にある「古書みつけ」では、著者たちが店頭販売している日もあります。

詳細は、みつけカレンダーをお確かめいただき、当店にも遊びに来てください。

古書みつけ営業カレンダー

忍足みかん著『気がつけば生保レディで地獄みた。』

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「気がつけば生保レディで地獄みた。若しくは性的マイノリティの極私的物語」
出版社:古書みつけ
著者:忍足みかん
価格:1500円+税
ISBN:978-4-9912997-1-1

 

『第1回古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞』の栄えある受賞作である忍足みかん著『気がつけば生保レディで地獄みた。』

タイトルが示す通り、本書で取り上げられているのは「保険外交員」、俗に〝生保レディ〟と呼ばれる人々の世界。悲しい話ですが、「生保レディは枕営業をしている」という下世話な噂を耳にしたことがある方も多いでしょう。

ただ突き詰めて考えてみてみましょう。「生保レディ=枕営業」というイメージが流布している理由、それは〝保険の営業〟という仕事はノルマが厳しく、薄給であるからです。本書でも語られているように、〝月給9000円〟というにわかには信じがたい数字が、月々のノルマ達成具合では現実になる世界です。

さらに、「生保レディ=枕営業」というイメージは裏を返すと、それほどこの職業が過度に女性らしさを強調せざるをえない世界、あるいは男性にとって都合の良い女性がもてはやされる世界だとも言えます。主人公が就職した〝女性が働きやすい〟と喧伝される保険会社が、必ずしも〝女性が尊重される〟職場ではないことが本書を読むと歴然です。

また、本書では女性のみならず、LGBTQ+という幅広いセクシャリティ全般が大きなテーマとなっています。主人公もまた、LGBTQ+当事者のひとり。LGBTQ+フレンドリー企業を名乗りながら、セクシャリティに対する旧態依然という有様が、日々の激務とともに主人公のメンタルを蝕みます。大人になって社会に生きていると、知らず知らず清濁併せ吞みがちです。ただし、『気がつけば清濁併せ吞んでいた。』などという事態に慣れることができず、傷つきながらも結果的にその欺瞞を問いただす姿勢はノンフィクション作品の本懐だといえるでしょう。

『気がつけば生保レディで地獄みた。』は、日々悪戦苦闘する全国の新入社員の方々の共感も呼ぶ作品です。慣れない仕事と社風に苦しみ、死を間近に意識しながらも、〝新卒三年神話〟の呪縛に囚われているそこの新入社員の方、本書はあなたの呪いを解く一助となるかもしれません。お客や同僚に対する責任感とやさしさに満ちたあなたを力強く肯定しながら……。

「気がつけば生保レディで地獄みた。」2023年4月28日発売決定!

畑江ちか子著『気がつけば認知症介護の沼にいた。』

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「気がつけば認知症介護の沼にいた。もしくは推し活ヲトメの極私的物語」
出版社:古書みつけ
著者:畑江ちか子
価格:1500円+税
ISBN:978-4-9912997-0-4

 

畑江ちか子著『気がつけば認知症介護の沼にいた。』の主人公は、「介護職員」。この職業が生保レディと負けず劣らず激務の職業であることは言わずもがな。

勤務初日でいきなり、介護施設の利用者の方からウンチを手渡しされる〝洗礼〟からはじまる悪戦苦闘の日々。

その中で主人公の心の救いとなっているのが推し活です。主人公は乙女ゲームという女性向けの恋愛ゲームのヘビーユーザー。ゲームの中のイケメンキャラとの〝交流〟は、とくにコロナ禍の頃など主人公の精神を保つために必要不可欠なものとなります。

そして、主人公が推し活に励むことは、本書の重要なテーマにつながります。

それはズバリ、〝自分が自分であり続けること〟。認知症はかつての自分ではなくなってしまう病だとも言えます。本書でも、大ファンだった石原裕次郎への興味をまったく失ってしまった方、穏やかな性格をしていたのに人を怒鳴りつかみ合いのケンカをするまで変貌してしまった方が登場しますが、施設利用者の方々とのふれあいを通じて、50年後の自分に思いをはせる姿が印象的です。

自分は自分であり続けられるのか。今自分が好きなものを、これからも好きであり続けられるのか。

この問いは何かしらの趣味嗜好を持つ私たちすべてに突き刺さるでしょう。

もちろん、主人公は認知症という病をネガティブに捉えているわけでは決してありません。自分の職業に誇りを持ち、時にユーモラスな視点を交えながら施設利用者の方に寄り添う姿に、介護士とはかくあるべきと思わざるを得ません。

ただ不思議なのは、本書を読み進めていると、施設利用者の方々が認知症であることをつい忘れてしまうのですよね。その理由は著者=主人公の他者への平等かつ温かなまなざしのためでしょう。その良い例が、山本さんというTHE昭和のガンコジジイの施設利用者の方です。山本さんは病状もあってか、ひどい言葉で主人公を罵倒することもたびたび。しかし、本書を読んでいると、それだけでは語り尽くせない山本さんの〝本当〟の人間性、あるいは歩んできた人生の重みを何気ない描写からも感じてしまうのです。

冒頭でも述べたように、介護職も相当にハードな職業です。

本書でも途中で離職する同僚たちの存在に言及されていますが、と同時に、ただつらいだけの仕事でもありません。『気がつけば認知症介護の沼にいた。』は介護職の光と影を等しくまなざす良書なのです。

「気がつけば認知症介護の沼にいた。」2023年11月20日(月)発売決定!

難波ふみ著『気がつけば40年間無職だった。』

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「気がつけば40年間無職だった。もしくは潔癖ひきこもり女子の極私的物語」
出版社:古書みつけ
著者:難波ふみ
価格:1500円+税
ISBN:978-4-9912997-2-8

 

ここまで世間的に過酷とされる職業を取り上げてきた『気がつけば○○シリーズ』

ところが3作目に登場する作品では、一転して「無職」にスポットが当たります。難波ふみ著『気がつけば40年間無職だった。』

かつて安倍政権下で、〝再チャレンジ〟というスローガンが声高に喧伝されたことがありますが、40年間職に就かなかった女性の自伝的作品である本書では、ファーストチャレンジが遅れた者にはアルバイトという機会すらなかなか与えられない実情を改めて我々に提示します。

『気がつけば40年間無職だった。』は、主人公の幼少期の回想からはじまります。小学校時代の転校をきっかけに、徐々に不登校気味になり、やがて潔癖症が加速して行き……。不登校児に対する理解がまだ圧倒的に少なかった時代のことです。主人公の周囲の理解を得られない孤独感は計り知れないものだったでしょう。作中では簡潔に語られていますが、母親に包丁を突き付けられたり、父親から激しく折檻をされたりと、主人公の過ごした日々が壮絶なものであったことが窺えます。

しかし、本書は暗澹たる空気感に終始するわけではありません。

転機は三十路を過ぎてからの定時制高校への進学。遅咲きの高校生としての日々を迎え、主人公を取り巻く環境は明らかに好転します。

これまでのシリーズ作を振り返ると、『気がつけば生保レディで地獄みた。』では過酷な職場で自分らしく生きられない葛藤、『気がつけば認知症介護の沼にいた。』では過酷な職場でも自分らしさを見失わないための推し活が描かれていました。言い換えれば、もともと備え持つ自分らしさの喪失、あるいは堅持がテーマのひとつとして読み取れたわけですね。その点で、『気がつけば40年間無職だった。』は、〝変わって行く自分を肯定する〟ことがテーマの作品だと言えるでしょう。『気がつけば40年間無職だった。』は、年をとり、新しい挑戦をすることに臆病になりがちな私たちの背中を、やさしく押してくれる作品だと言えるでしょう。

また、作中に登場する担任などの〝嫌な人物〟も、その嫌な部分を緩和するようなユーモア溢れる筆致で描き出しているのも本書の魅力。未経験のことも多いだろう著者が、これからの自身の体験をいかに描いて行くのか。今後の執筆活動から目を離せません。

「気がつけば40年間無職だった。」2024年3月4日(月)発売決定!

第2回「気がつけば○○ノンフィクション賞」絶賛下読み中!!

2024年3月4日、古書みつけでは『気がつけば40年間無職だった。』の著者・難波ふみさんによる店頭販売がおこなわれました。

実は難波さん、古書みつけの日替わり店長のひとり。

そもそも彼女は、履歴書の学歴・職歴欄の空白を少しでも埋めるために定時制高校に進学したわけですが、その経験がめぐりめぐって、書店員に行き着いたわけですね(※就労ではないけれど)。

文章を書くということは、ただそれだけの行為によって、自分の中の〝何か〟を変えるものだと私は思います。難波さんが、『気がつけば40年間無職だった。』を執筆し、世に発表したことが彼女の今後の人生にどのような変化をもたらすのか、一緒に見守っていきませんか?

さて、今回紹介した『気がつけばシリーズ』三部作は、第1回「気がつけば○○ノンフィクション賞」の応募作から選出されたもの。現在古書みつけでは、第2回「気がつけば○○ノンフィクション賞」の応募作の中から最終選考に残す作品を精査中です。

はたして、『気がつけば○○シリーズ』は4作目は誕生するのか?

その発表まで、もうしばらくお時間を頂戴しますので、それまでの間しばしご歓談を……!!

文:ポリ(フリーライター)/「古書みつけ」毎週金曜店主)

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