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❇︎校正のこと❇︎

校正者からゲラが戻ってきました。

校正というお仕事

校正作業は複数回にわたってゲラを読み込み、誤字脱字がないか、表記揺れをおこしていないか、事実と異なっていないか、など、さまざまな視点で本文のチェックをしていくため、時間はたっぷりかかります。

今回は、はじめてお願いした校正者さんだったのですが、丁寧かつ的確かつ優しさを感じられる校正に、これはもはやある種の作品ではないかと感じました。一文字一文字の手書きのあたたかさが沁みます。

・赤字は、誤字や脱字など、明らかな間違いで確実に直さなければならないもの。

・鉛筆字は、間違ってはないけれど編集者に判断を委ねる指摘やアドバイス、さらには赤字に関する補足事項など、と使い分けをします。

・ちなみに、編集者になって最初に触れる、かつ、ついつい日常生活でも使いたくなる校正用語が、「トルツメ」。文字通り、“この文字を取って詰める”という赤字になります。

と、言いつつも、「いやー、今の一言は余計だな。トルツメだわー」「あの忌まわしき黒歴史をトルツメしたい」などという使い方はしたことがなく、日常生活で飛び出てくることは皆無です。とはいえ、かれこれ20年近くこの言葉とお付き合いしてきているので、どうしても愛着はわいて仕方ないし、なんなら「トルツメ」で一曲つくりたい気分にもなってくるのだから、言葉が放つ魅力は魔性の輝きを放っています。なんか、かわいいよね、トルツメ。

と、思い切り謎の脱線を展開してしまいましたが、兎にも角にも、私の手に生まれ変わって戻ってきた校正完了のゲラ。

そこに刻まれた職人芸、しかと堪能いたしました。

著者にも確認頂いたので、ここからは、編集者とデザイナーで世に送り出せるよう、再び丁寧に化粧をしなおしていきます。

校正者のお仕事を知るには『文にあたる』(亜紀書房)

校正者・牟田都子さんの『文にあたる』(亜紀書房)。校正というお仕事を知るうえでとても参考になる一冊です。

「読者にとっては人生で唯一の一冊になるかもしれない。」

わたしたちもそういう気持ちをもって、校了に向けた作業を丁寧に進めていきたいと思います。

編集と校正はまったく別の世界のお仕事なのだと、心の底から感じられる名著だと思っております。優しさあふれる文体が好き。

最後の仲間は読者の皆さん

このように、ひとり出版社といえども、一冊の本にかかわる人はたくさんいます。

そんな同志、仲間なメンバーに感謝の意を表しつつ、最後の仲間になるであろう読者の皆様のお手元に、良質な一冊を届けられるよう、引き続き本づくりに励んでいきます。

「気がつけば生保レディで地獄みた。」

2022年2月22日より募集を開始した、「古書みつけ(気がつけば○○)ノンフィクション賞」の第1回目の受賞作の出版が決定いたしました。

タイトルは、「気がつけば生保レディで地獄みた。」、発売日は2023年4月28日(金)となります。

「気がつけば生保レディで地獄みた。」2023年4月28日発売決定!

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