【古書みつけ宣言】声なき声に耳を澄ませば……絶望に効く生き方
古書みつけは、可視化されにくい〝声なき声〟を発信する手段として、出版事業を開始いたします。
日々押し寄せる同調圧力の波、横行する各種ハラスメント、広がり続ける格差社会、生きづらさを感じることが多い現代には、至るところに〝絶望〟が転がっています。助けを求めようにも、声を発すること自体にハードルの高さを感じてしまいがちです。
ソーシャルメディアの流行が、そんな弱者の声を「#Me Too」へと進化させ、弱き立場の人たちを救うことに成功する例も出てきてはいますが、一方で、地球規模でのデジタル化が、人間関係における様々な弊害を生み出していることも事実です。
「日ごろ、光の当たらない職業人や、弱者の声なき声に耳を傾けたい」。
その想いを結実させるために、私たちは「本」を選びました。
「一冊の本が人生を変える」と言われるように、本には、魔法のような力があると信じています。
仕事や生活で苦しい経験をしたことがある、一般に知られていない職に就いたことがある、自分だからこそ得られた知見・体験を伝えたい、無名の著者が描く〝人生の舞台裏〟は、多くのサイレント・マジョリティの共感を呼び、〝どこかの誰かの何か〟を変えるきっかけにつながると信じ、シリーズ創刊を決めました。
古書みつけの目的は、著者と同じように虐げられる人たちに、自分の叫びを聞いてもらいたい人たちに、目の前の現実に〝絶望〟する人たちに、前を向いて歩いていくための〝希望〟を届けることです。未知との遭遇を楽しむだけでなく、自らを奮い立たせるための〝サプリ〟にもなり得る〝知のかたち〟を、シリーズとしてまとめていきたいと思います。
偉大な脚本家・新藤兼人は言いました。
「誰でも脚本家になれる。それは自分のことを書けばいい。誰よりリアリティーがある作品、傑作が書ける」。
静かなる大衆がおくる〝絶望に効く生き方〟、傑作の人生(本)を紡ぎます。
2023年
古書みつけ代表 伊勢 新九朗