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❇︎色校のこと❇︎

付き物の色校が出てきました。

付き物と色校

「付き物」とは、カバーや本体表紙、オビ、見返し(色の付いたデザイン的な装飾紙)、口絵(巻頭や巻末などのまとまったカラーページなど)のことを言います。要は、本文以外のすべてがそれにあたります。

ちなみに、今回、出稿された色校は、カバー、本体表紙、オビの3セット。

「色校」とは、編集部が指定した色で刷り上がっているかを確認するために、試し刷りをすることです。

こちらはデザイナーと共に確認して、色の調整をはかります。

束見本との融合のために裁断する

以前、書いた「束見本」が再びここで登場します。

❇︎束見本のこと❇︎

実際の本と同じ仕様でつくられた「束見本」に、実際の色見本として刷られた色校を巻いてみることで、出版する予定の完成品とほぼ同じものをつくりだすことができるのです。

そう、ということで、カバー、本体表紙、オビをキレイにカットしていきます!

用意するものは、カッターと長めの定規、そして、カッターマットになります。あとからのりも必要となるので、あわせて準備しておきましょう。

まず、最初にやっておきたいのが、「トンボ」にあわせてカットするための線を引いておくこと。

「トンボ」とは、色校の印刷領域の周辺ある線のことです。

「トリムマーク」とも呼ばれ、印刷物の断裁位置の目印となります。

「トンボ」という名称は、中央の十字線が昆虫のトンボに似ていることから名づけられたそうです。

ここにしっかりと線を引いておくことが重要です。というのも、たとえば、線を引かずにカットをはじめると、縦軸の裁断をいしたあとに、横軸をどの位置でカットしていけばよいかがわからなくなってしまい、正確なサイズでの切り出しができなくなってしまうからです。この線がまっすぐ引けないと、また形のおかしな表紙になってしまいますので、細心の注意を。

また、カッターを入れる前に、折り目となる部分はあらかじめ軽く折っておくことをおすすめします。

こちらも、カットをするとトンボが見えなくなってしまうため、どこが折り目なのかが正確に把握できなくなってしまうからです。

カバーならば、こんな感じに軽折りしておくとベストです。

上手に裁断できました!

いよいよ束見本に巻いていく

ここまでくれば、あとは束見本に付き物たちを巻いていくだけ。

まずは、束見本に巻かれていた白紙のカバーとオビをはずします。

そして、裸の束見本に「本体表紙」を糊付けします。これがカバーの下の顔となります。

次に、カバーを巻きつけます。事前に折り目をつけておいたことで、スムーズに巻くことができました。

最後に、オビを巻きます。こちらも事前に折り目をつけることで、キレイに巻き付けることができました。

これにて完成!

いかがでしょうか? こうすることで、実際に完成状態をしっかりと確認しておくことができるうえに、存在感も増すので、改めて、この表紙のデザインでよいのか? なども、検討することができるのです。

店頭に飾ってみたらどう見えるか?

背表紙はどんなふうに見えるのか?

棚差ししても問題ないか? お、結構、目立ちますね!

など、完成により近いものをつくることで、いろいろな検証が可能となるのです。

あれ? ず、ズレていない!?

ということが発覚したり(笑)。※とはいえ、これは、巻き方とちょっとしくった感じなので、問題はありませんでした。

裁断ミスると、こんなふうな事故も(笑)。これくらいはご愛敬ですが、それこそ、完成品には見えないような仕上がりにしてしまうと、編集者としての株は下がります(笑)。

以上、色校×束見本の共演でした。

次のターンとしては、ここで見えてきた検討材料をデザイナーと打ち合わせをして、デザインを修正、「再入稿」をして、「再校」を出してもらうような流れとなります。

ここまでくると、いよいよ感が増してきますね。

なかなかいい感じの仕上がりではありませんか?

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